「東京コンドもエヌビディアのように?」…『警告音』 [キム・ヨンナムの不動産資産管理]
日本の東京マンション市場が異変を見せています。日本の不動産市場調査企業である東京カンテイなどによれば、2024年の東京首都圏新築マンションの平均価格に対する賃料比率(PER)は28.93に達しました。特に都心部のPERはさらに深刻な水準です。表参道は51.95、麻布十番は44.05、白金高輪に至っては53.07にも上っています。一部の地域では、「50年分の賃料を前払いしなければマンションを買えない」という計算さえ出ています。
これらの数値は、単なる高額住宅の問題を超え、市場全体の構造的なアンバランスを示す指標です。価格に対する賃料比率であるPERは、住宅購入価格を年間家賃収入で割ったもので、投資資金の回収にかかる期間を示します。この比率が高いということは、投資回収に長い時間が必要であることを意味します。東京のPER数値は、ニューヨークのPER約19〜21と比較しても明らかに高い水準です。これは実需者の立場から見て、東京で家を買うよりも借りるほうがはるかに経済的である可能性を示唆しています。
さらに懸念されるのは、東京のマンション賃貸利回りが極端に低い点です。現在、東京マンションの年間平均賃貸利回りはわずか1.88%に過ぎません。これは無リスク資産とされる20年満期の日本国債利回り(約年2.2%)を下回る水準です。一般に不動産投資は国債などの無リスク資産よりも高い利回りを提供すべきであり、それが投資価値と評価されますが、東京マンション市場はその基本的な投資原則すら揺るがしています。一方でニューヨークは年間5.32%に達する賃貸利回りを記録し、価格上昇率も1.6%程度で安定した推移を保っています。このように、東京は賃貸利回りが低く価格のみが急騰する一方で、ニューヨークは収益性と安定性が比較的バランスしているという明確な対照をなしています。
では、このような差はどこから生じているのでしょうか。東京では2024年のマンション価格が17.7%も上昇する一方で、賃料はわずか3.2%の上昇にとどまりました。価格の上昇が賃貸収益を大きく上回った理由は、実需目的よりも資産価値の上昇を狙う投資需要が市場を主導しているためです。日経アジアによると、国内外の富裕層や外国人投資家の資金流入が東京マンション市場の過熱の核心的背景と分析されています。
例えばPERが40の神田地区のマンションを購入するということは、理論上40年分の賃料を前払いするのと同じ意味です。ここに不動産担保ローン利子、定期的かつ大規模な修繕費用、そして時の経過に伴う建物価値の減少も考慮すれば、同じ金額で賃貸を借り、数年ごとに新しい住まいに移るほうがはるかに合理的な選択となり得ます。このような経済的構造は実需者のみならず投資家にとっても重要な判断基準となります。
東京カンテイの高橋正幸チーフリサーチャーは日経アジアのインタビューで「マンションの価格に対する賃料比率の調整は避けられない。賃料はこれ以上大幅に上がるのは難しく、調整は結局価格の下落を通じて行われる可能性が高い」と診断しています。
このような警告は、過去の日本のマンション市場の動きとも似ています。1980年代後半、日本は異常に高まったPERの末に最終的に不動産価格の大暴落という厳しい調整を経験しました。現在の東京マンション市場も同様の構造を示しています。まるでPERが40を超えたNVIDIAの株価が調整を経て本質的価値に収斂したように、東京マンション市場も最終的には現実的な収益性に基づいた均衡点を見つける可能性が高いのです。
結局のところ、今の東京マンション市場に現れている極端な価格に対する賃料比率は単なる数字ではありません。それは市場サイクルの頂点で鳴り響く明確な警鐘です。利回りが無リスク資産より低い不動産は、投資としての魅力よりリスクが大きくなる可能性があります。投資家は短期的な価格上昇に惑わされるのではなく、長期的な賃貸収益性と安定性を重視すべきであり、実需者も今が「購入」の適期かどうか冷静に見極めるべき時期です。
結局、今の東京マンション市場が私たちに投げかけているメッセージは明白です。この数値は単なる数字ではなく、『警告』そのものである可能性があるのです。
<韓国経済 The Moneyist> キム・ヨンナム グローバルPMC株式会社 代表取締役社長
グローバルPMC(株) CEO 社長 キム・ヨンナム
キム・ヨンナム
グローバルPMC(株) 代表取締役社長 | 不動產学博士(PhD), CCIM, SIOR, CPM, FRICS
韩国経済新聞コラムニスト(不動產資產管理)| ニュースピムコラムニスト(グローバル不動產)